李登輝博士の講演
友人のお蔭で、来日中の李登輝博士の講演を拝聴する機会を得られました。会場には大勢の人が集まり、李登輝博士に盛大な拍手が送られました。
講演のタイトルは「2007年とその後の世界」で、(1)世界レベル、(2)東アジア、(3)両岸関係の三つの観点から語られました。内容が難しくて誤解している部分もあるかもしれませんが、備忘録を残しておきます。
(1)世界レベルでは、1)ロシアと中国の世界政治における重要性 2)米国とイランの政治的妥協 3)米国の政治機能の麻痺(中東問題への拘束、ブッシュ政権の弱体化)が主要な論点でした。つまり、世界のリーダーである米国が中東に向けれられている間に、ロシア、中国が世界政治で重要な地位を占めようとしているということのようです。
ロシアは再び旧ソ連時代のような支配権を手中にしつつあり、一方中国では金融問題(不良債権の額は、国民総生産?の4割)を抱えて、内政問題に翻弄されている。現政権にとっては、経済問題をいかに乗り越えるか大事な問題である。
(2)東アジアの今年の情勢は、日本、台湾、韓国、フィリピンなどが選挙を控え、内政に重きがおかれる。小泉政権から安部政権に移り、日本は普通の国家に転換しようとしていると現政権を評価されていました。また、安部首相は、靖国問題について中国に対して、none of your businessとはっきり示したという見方を示されていました。韓国の現政権は、北朝鮮との関係を強化し、米国と距離をおこうとしているが、現在野党のハンナラ党が政権をとったら、親米反北となるだろうと予測。
(3)両岸関係については、台湾も総統選挙を控えているが、中国は国民党への影響力を維持するだけでなく、民進党への影響力を維持・拡大しようとしている。
そして、米中間の太平洋の制海権の争奪戦が激化するが、両国とも防衛目的と主張するだろうとの見方を示された。
講演後の質疑応答で、中国における都市部と内陸部の経済格差問題について質問があり、この問題は現政権が解決をはかるべき問題との見方を示されました。会場には多くの著名人も参加されておりましたが、その中で、櫻井よしこさんが、中国の主張に一貫性がないことについて李博士に質問をされました。これに対して、それは日本人が見た中国であり、中国人が見た中国を理解する必要があるとうような内容の回答をされていました。確か、台湾が民主化することが、中国にとっても大事なことであるとも語っておられました。
李博士は、この日の朝、兄上が祀られている靖国神社を参拝されましたが、出かける前に、これはあくまでも個人的なことで政治的な話にしないでほしいと記者に対して話をしたことを語ってくださいました。お父上が、亡くなるまで、兄上の戦死を認めなかったため、慰霊することができなかったが、靖国神社が兄を慰霊してくれたと語られていました。


Comments
李登輝先生の靖国神社参拝をお喜び申し上げます。ミケ
Posted by: 屋根の上のミケ | June 08, 2007 at 05:03 PM